板谷国際特許事務所- Itaya & Associates

発明の進歩性・明細書作成等について

発明の進歩性判断の基準

■進歩性判断は、引用発明に基づいて当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことの「論理付け」により行う。
■論理付けは、引用発明からの設計変更や単なる寄せ集めに該当するか、または引用発明に動機付けとなり得るものがあるかどうかを検討する。有利な作用効果が把握される場合には、進歩性を肯定的に推認するに役立つ事実として、これを参酌する。
■動機付けとなり得るものは、
 (1)技術分野の関連性

 (2)課題の共通性
 (3)作用・機能の共通性
 (4)引用発明中の示唆(審査基準より)


特許出願のための明細書作成の要領

■明細書作成前
(1)技術背景と従来技術は、可能な限り複数タイプについての問題点を掴む。それに対応した発明の解決課題を把握
(2)発明の成立性と進歩性を判断
(3)発明の解決課題・手段・効果に一貫性を持たす
(4)発明のカテゴリー(物と方法)を決める
(5)発明を上位・中位・下位概念で捉えて、それらに対応するクレームを
(6)要素技術とその応用製品のクレームを考える
(7)クレームを支持する実施例、変形例、代替手段を考える。要素の反対概念を考える(直接と間接、オン/オフとハイ/ロー 等)。
■図面作成
■クレーム作成の留意点
(1)不要な限定はないか。
(2)先行技術と特徴部分が明瞭か。特徴は可能なら作用的な表現を。
(3)先行技術調査でのキーワードが散りばめられているか。
(4)侵害形態から見て、権利行使し易いものに(端末とシステム、装置と方法)
(5)従来技術の一部を省いた発明の場合、それが明確になるように表現


ビジネスモデル特許

■インターネット等のネットワーク及びコンピュータシステムを用いた情報通信技術(IT)の進展に伴い、電子商取引(eコマース)が実現し、新たなビジネス方法・アイデアが発明の対象となった。
■米国
ステート・ストリート・バンク事件(CAFC判決1998.7.23)ビジネス方法も特許の主題、有用性があり、具体的な効果を有するものは特許の対象
■特許訴訟…プライスライン社対マイクロソフト社「リバース・オークション」、アマゾン社対バーンズ社「ワンクリック商取引」
欧州・・技術的効果があれば特許される
■日本・・特許対象は、「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるが、ネットワークを利用したビジネス方法の多くは特許対象。但し、進歩性が必要。
■ビジネス特許の影響
(1)ビジネス方法のアイデアの実現は、既存のネットワークを利用可能であるので、小資本・投資でビジネスチャンスを掴むことが可能で、ベンチャーや新規参入企業が大企業に対抗しうる。
(2)通信インフラの構築で各種のビジネスが生まれる。
(3)基本的なビジネス特許が取得され、他社の参入を阻止されると、弊害が起こりうる。
(4)企業ではビジネスモデル・情報技術(IT)の開発戦略が必要
(5)ネットワークには国境がないので、特許取得の世界戦略が必要